第4章 VS 世界選抜チーム
「……」
「……」
「おいガキども、なんで揃いも揃って俺の部屋にいんだよ。しかもジャパニーズアニメの人形見つめたまま何もしねーし」
「人形じゃないし。ピカ○ュウだし」
「僕のは…何でしたっけコレ」
「ミュ○ツー。足速いからじゃない?」
小学生と同じくらいの門限で帰ってきた2人は、先触れもなくダダの部屋に入り無言でストラップを眺めていた。
ダダが文句を言うのも無理はない。
「つまんなかったのか?」
「逆。考えることが多すぎてぼーっとしてんの」
「じゃあなんで俺の部屋にいんだよ」
「あの2人にMs.ツギクニを独占されたくなくなって、邪魔したいけどなんとか踏みとどまってるんです」
「恋に落ちるのがはえーよ神速神童」
「いや、オイラも踏みとどまってる」
「なんなんだお前ら」
邪魔したいならすればいいのに、というのがダダの見解である。
思いつつも口には出さず、しかも追い出さない程度には今のダダは機嫌が良かった。
今朝方、から「あなたはもう全部済んでるから報酬振り込んどく。Goodwork」と言われ、先程5700万の振り込みを確認できたからだ。
「賭けでもするか?俺はあの2人がに拒まれてパンイチで追い出されるに一票」
「僕はMs.ツギクニが嫌々受け入れて、それが仇になってあの2人が更にしつこくなるのに一票」
「オイラはが渋々受け入れつつも起き抜けに一発ブッ叩かれるに一票!」
この場にがいたら端正な顔を歪めていたことだろう。
自分が賭けの材料になっているのだから良い気分はしない。
だが、そうでもしないとやってられないのだ。
それほどまでに、という女に惹かれてしまった。
「そういえばは今どうしてんだ?デートプランでも考えてんのか?」
「一日空けたから監獄内のキッズの体調チェックしてる」
「……明日僕が体調崩したとか言えば、Ms.ツギクニはデートそっちのけで戻って来てくれるんでしょうけど……怒るだろうなぁ」
「それよりもルナとアダムに恨まれるよ」
ゆるい感じで夜が過ぎて、大人気ない(というかまだ子供なので)ロキは明日のデートが失敗することを祈った。
結論から言うと、賭けはカバソスが勝った。