• テキストサイズ

【青監夢】跡継ぎを産めと言われて収監されました

第4章 VS 世界選抜チーム


「___ここまでで何か質問は?」


流暢で淀みない英語で説明された概要は、初めてのガイドにしては上出来だった。
話した内容は、簡潔な職務全般とバスがブルーロックに着いた後にすること。
詳細は手元のタブレットですぐに見れるため、今ここでの説明は省く。
今言うべきことだけを言う、合理的で無駄のない説明だ。

そつがないけど可愛げがない、なんてルナが考える横で、ダダが声をあげた。


「報酬の支払いは?」
「前払いとして半分の5000万は既に支払ってる。各自で適当に確認しておいて。もう半分とゴールボーナスはあなた達が帰国する前には支払いを済ませておく」
「マジか早えな。トンズラこくかもしんねーぞ」
「問題ない。このバスの行き先がブルーロックから東京湾に変わるだけだ」
「沈める気だこの女」


ダダは冗談で無茶苦茶なことを言った。
もそれを分かっているから、ダダを上回る無茶苦茶な脅しをした。
可愛げはないが度胸があってなかなか面白いな、とルナは評価を改めた。
次に声をあげたのはアダムだった。


「このバイトが終わったらアンタと着物で×××したい」
「え、それがアリならオイラに原宿案内して」
「無理。私のスケジュールは三次選考1stステージどころか、最終ステージが終わるまで埋まってる。職務外であなた達だけのためにまとまった時間は空けられない」


職務である通訳案内の延長での接待は時間的に難しく、かといって貴重なプライベートの時間を彼らに費やせるほど個人的に好感を持っているわけでもない。
つまりは、理性的かつ論理的に丁寧に「嫌だ」と言ったのだ。
「嫌だ」と言える立場かは難しいのと、言っても聞かない相手だからこそ「無理だ」と言い換えた。


「俺達の機嫌を取ろうとは思わないんだね」
「機嫌の悪さがプレーの悪さに直結するなら謝る。そうでないなら、これから私以上に愛想の悪い総監督と会うから彼の代わりに先に謝っておく」


ごめん、と紙よりも軽い謝罪をした。
ルナが言葉を返す前に口を開いたのはカバソスだった。


「愛想悪くてもいいからオイラのこと可愛いって言って」
「(年上の)男性を可愛いとは思わない」


何故この男は意地でも可愛いと言わせたいのだろう、とは単純に疑問だった。
/ 67ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp