第4章 VS 世界選抜チーム
「……日本のカワイイ女の子を楽しみにしてたのは本当…ドクターから・ツギクニはカワイイとも聞いていた…でもこれは、これは……」
「カバソスさん、Ms.ツギクニに失礼ですよそのリアクションは」
「顔見られてドン引かれるのは別に初めてじゃないから気にしてない」
「あんたはそれで良いのかよ」
何度も言うが、は(顔だけは間違いなく)美しい。
初対面の人間にはだいたい惹かれるか引かれるかの2択である。
ロキは前者でカバソスとダダは後者だった、それだけのこと。
「大丈夫かそばかすベイビー。頭とか」
「……うん、大丈夫。絶対にキミの口からオイラの方が可愛いと言わせてみせる」
「サッカーをしてくれ」
の言葉は至極真っ当な指摘である。
「で、なんでロキもここにいんだ。控え室あんだろ」
「最後の2人がMs.ツギクニに絶対何かするので、念の為」
「「あ〜〜」」
ダダとカバソスは改めてを上から下まで丁寧に見た後、これから来る2人を思い浮かべてため息をついた。
選抜メンバーは性格が全く合わないと絵心から聞いていたは、3人の認識の合いように何コレ、と思った。
がそう思ったのも束の間、3人が予想していたことと全く同じことが起こった。
「俺達の案内人がこんなに美しいお嬢さんだったとは。今夜空いてるか?」
「ドクターから話は聞いてたけど俺も気に入ったよ。この仕事が終わったら一緒にスペインに帰らないかい?」
一体私の何が悪かったんだろう、とはらしくもなく現実逃避した。
の腰に手を回して口説いたのはイングランド代表のアダム・ブレイク。
手の甲にキスをして口説いたのはスペイン代表のレオナルド・ルナである。
そんな2人には頬を赤く染めることも眉を顰めることもなく、無表情のまま2人の手を自然な仕草で解いた。
「長旅による疲労を心配してたけど元気そうで良かった。この後のことはバスの中で話す。乗れ」
もはや休憩室を案内することすら省き、さっさとバスへ移動させた。
一刻も早く今日の仕事を終わらせたいという意図をロキは感じた。