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【R指定】リクエスト・コミュ企画短編集【原作色々】

第8章 R指定】【呪術廻戦】玉屑(ぎょくせつ)【五条悟・夏油傑】


まだ昂っている悟のモノは無視して、傑はすぐに仁美から悟を離した。

そして仁美を抱き上げると、そのまま自分の腕の中に収めた。


「……六本木中に呪霊を放ったんだ…。お前が気付かないはずないだろう…。」

それなのにこの目の前の最強の呪術師は、六本木中の猿の人質を無視して、仁美との情欲を楽しんでいたのだ。


「……やる事が一丁前の呪詛師だな。」

悟の言葉を聞いて、傑はニヤッと笑った。

それでも今からはこの呪術師は猿達を守ると分かっていたからだ。

全ての猿が自分の範疇に居るのだから。


「……散々僕から逃げてたお前がこうして仁美を迎えに来るなんてな…。」


あの時にかつての仲間を巻き込まないでその道を外れた傑が唯一連れ去った仁美。


「本当に、お前のそのあざとい所大嫌い。」


あの時に、仁美が自分の手を払わないと分かっていてあえて手を差し出した傑。

彼女の目の中に感じていた『罪悪感』や『戸惑い』も全てその柔らかい笑みでねじ伏せたのだろう。

どうだった?

仁美のたった1人の男になれた時間は。

2人で道徳も全て捨てて過ごした甘美な時間は。






全部くそくらいだった。




「せいぜい大切に扱えよ?」

悟は傑の腕の中に居る仁美を指さして言った。




「僕を好きな仁美と過ごす刹那を噛み締めておけ。」

「………………。」



そんな事は。

とっくに分かっていた。


分かっていたから、今更の悟の煽りすら笑ってしまう。


「…それでも仁美は私からは離れないよ。」

傑は笑ったまま悟に言った。

仁美と言う女はそんな女だった。

一度掴んだ手を離さない。

その気持ちが例え他にあったとしても。




「……どんだけドMの変態なんだよ。」

「悟には分からないよね。葛藤しながらも私を求めてくる仁美の可愛さは。」

呆れた様に言う悟に対して、傑は仁美の顔にスリッと頬を付けた。
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