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【R指定】リクエスト・コミュ企画短編集【原作色々】

第11章 【コミュ企画】 【WB】優しい先輩ってやつ【梶蓮】



すっかり縮こまったバカ女をよそに、梅宮さんは満遍の笑みだ。

出禁を食らったのに、堂々とバカ女の部屋に入れるのだから。




「💢💢本当にあざといなあんた!!」




俺は思い切り梅宮さんに叫んだ。

俺の声を聞いて、バカ女は困った様に俺を見て……。

梅宮さんはやはりニヤッと笑って俺を見た。



その梅宮さんの後ろ姿を見て俺は改めて思う。



後輩にはそのカリスマ性を魅せて、柊さん達には弱さすら魅力的に魅せて。



好きな女には惜しみなく縋り、全ての愛情を注ぐ。



こんなカメレオンの様な顔を持つ男を他に知らない。



ボウフウリンのてっぺんの最強の男。

梅宮さんの信念は一貫していて、獣だった俺の場所を作ってくれた。

人懐こい笑みとその性格で、商店街の人達までいつのまにか風鈴高校に高感度を覚えている。



俺はそんな男の背中を見ながら思った。



いったいどれが梅宮さんの本当の顔なんだろう。









ーー



「いやいや…梶が考え過ぎだよ。俺そんなに裏表ないよ。」

梅宮さんは俺がそんな事を考えていた事にビックリした様に言った。

俺はそんな梅宮さんの顔を見ながら、少しの偽りもないのか探っていた。



だけど梅宮さんの笑みはいつもの笑みで、その答えに偽りがある様には見えなかった。

「……人ってさぁ。見たい様に相手を見てると思うんだよね。」

そう言って梅宮さんは俺から顔を晒して、野菜の苗を触りながら言った。



「風鈴の無敵の俺や、商店街の人に献身的な俺。多くの仲間を従えてカリスマ性があるだの……。」

「……………。」

「全部俺なんだけどね。」



梅宮さんは振り向いて俺にニカッと笑った。



「最近は悪かったよ。つい梶をいじめたくなっちゃって。」

梅宮さんは立ち上がると、俺の方に近寄ってきた。

「梶のお節介が治ったら、優しい先輩ってやつになれるかも。」

「…………………脅しても、あの水月って女の事は忘れませんよ俺。」

「………………。」



俺がそう言っても梅宮さん笑みを崩さず、あまり気にして無さそうだ。

余裕過ぎてムカつく。




……可愛い後輩ってやつには。

まだまだなれなさそうだ。






        ー完ー
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