【R指定】リクエスト・コミュ企画短編集【原作色々】
第7章 【幽遊白書】その蕾はいつか花となる【修羅】
「うっ、修羅様…っ、バランスが…。」
1人用の浮き輪に2人が入ったのだから、浮き輪も沈みかけている。
「仁美、浮き輪に捕まらないで僕に捕まって。」
「っええっ//////」
そう言って先に仁美の体にしがみついたのは修羅の方だった。
いつも修羅は仁美に抱きついてくるが、こんなに肌が触れたのは初めてだった。
ラッシュガードを海に入る前に脱いできた。
ギュッと抱き締められる修羅の手が背中に触れて…。
修羅の顔は仁美の胸元に押し付けられている。
「ああ…修羅様…。」
絶対今胸がおかしい位高鳴っているのが修羅にバレそうだ。
「仁美早くして、転覆しちゃうと怖いよ…。」
自分の胸の間から修羅の困った様な顔が見えた。
その顔が可愛い過ぎて、仁美は理性の糸が切れた。
もうどうにでもなれ!!
「修羅様!!」
「!!!」
仁美も思い切り修羅に抱きついた。
「あ…仁美…。」
ギュッと仁美に抱き締められて、修羅の顔に嬉しい感触が触れたのは一瞬だった。
思ったより仁美が勢いよく抱きついてきたから、バランスが崩れた。
「!!」
その瞬間に波が2人に叩きつくと、2人はそのまま転覆した。
一瞬にして海の中に沈み、どっちが頭上かも分からない位に溺れた。
だけど仁美を抱いていた修羅の腕は、決して離れなかった。
「ーーーはっ!ゲボッ!!」
浅いところでまだ良かったのだろう。
溺れたのは一瞬で、次の瞬間には2人とも浜辺に打ち付けられていた。
「はぁっ…はっ…仁美、大丈夫?」
修羅はすぐに自分の腕の中に居る仁美を確認した。
「!!!」
「はぁ…はぁ……私は大丈夫です。」
顔を顰めながら苦しそうに息を吐く仁美を気遣う事が出来なかった。
修羅の目は一点に釘付けだ。
大きく息を吐いて上下している仁美の胸元に、あるはずの水着が無いからだ。
「!!!///////」
「え?!修羅様!!」