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【R指定】リクエスト・コミュ企画短編集【原作色々】

第7章 【幽遊白書】その蕾はいつか花となる【修羅】



「わぁ、修羅くんよろしくね。」

修羅の頭を幸村蛍子が笑って撫でてた。



いや、分かるよ?!

貴方浦飯幽助の恋人だからね。

魔界人にもそりゃあ寛大でしょうとも。



だけど、自分でも滅多に触れない修羅の頭を軽く撫でるその姿に。

仁美は卒倒しそうになった。



(あの頭を撫でていいのは私だけなのに!!)

たった小さなスキンシップだった。

だけど仁美はそれすら受け入れられない。



(修羅様……。)

ジワっと涙が滲んだ。

だけど今日を楽しみにしていた修羅に、その顔は見せたく無かった。

仁美は蔵馬を掴んでいた手を離して、その光景から目を逸らした。



それは目敏い蔵馬にとっては、ちょうど良い環境だった。

明らかに悲しんでいる仁美に対して、彼が思った事は、きっと仁美の気持ちを無視している。



それが分かっていても、蔵馬は仁美の頭に手を伸ばして、その顔を自分に向けさせたかった。

「仁美……。」

「仁美。」



蔵馬の言葉に被さる様に、修羅の声が仁美に聞こえた。

仁美が真っ先に見たのは蔵馬では無くて、やはり修羅だった。



「ボク、早く海に入りたい。」



久しぶりに聞いた修羅の甘える声だった。

そう言って修羅は仁美のラッシュガードを掴んだ。



「修羅様っ……。」

スリッと擦り寄ってきた修羅に、仁美は体をフルフル震わせながら顔を赤くした。



「行きましょう!一緒に海に入りましょう!!」

仁美はパッと蔵馬から手を離して、すぐに修羅の方に顔を向けた。



ムッと気を悪くした蔵馬を横目に見た修羅は…。

仁美に見えない様に、不敵にフッと蔵馬に向かって笑みを浮かべた。



ギュッと修羅を抱き締めて、幸せそうに笑みを浮かべる仁美を見て。

勝ち誇る修羅の顔に、明らかに怒りが湧いた。
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