第1章 【R指定】【呪術廻戦】貴方の全てを壊したい【七海建人】
その日の夜に、仁美はコッソリ寮の七海の部屋に居た。
「はい、七海。バレンタインのプレゼントだよぉ。」
そう言ってきた仁美の首に、青いリボンが結ばれている。
その時まで軽いキスしかしてこなかった事が嘘みたいに、七海はその光景に目を細めた。
ああ…もう…。
無駄な我慢は必要無いみたいだ。
七海は仁美の肩を掴むと、そのままベットに押し付けた。
仁美は初めからそれを望んで居た様に、目を細めて七海の事を笑みを浮かべながら見ていた。
「………それ……ワザと煽ってるの?」
七海はゆっくりと仁美の首のリボンを解いた。
大切なプレゼントを丁寧に解く様な七海の仕草に、仁美はフッと笑った。
「煽るって…七海……。私の気持ち分からない?」
いつもキスまでの七海の首筋を、軽く撫でた。
ゾワっとしたその感覚に、七海はかぶりつく様に仁美の唇を奪った。
初めて七海の舌が仁美の唇を割って入ってくる。
どんな時でも冷静な七海。
いくらキスをしても、それ以上手を出しては来なかった。
その七海の理性が大好きで。
ずっともどかしかった。
「ああ…七海……。」
仁美は夢中でキスをしてくる七海が愛おしくて、彼の首に腕を回した。
キスを重ねる度に七海の息が熱くなり、絡まる舌は水気を帯びた音が激しくなっていく。
余裕が無くなってもいいのに、こんな時でもそつなくキスをしてくる七海がまたもどかしい。
でもそれは仁美の一方的な感覚で、実際に七海は全く余裕なんて無かった。
思い出される夏油への仁美の表情。
顔を赤らめて見上げる視線。
それを考えたら、全然余裕なんて無かった。