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【R指定】リクエスト短編集【原作色々】

第3章 【R指定】【ヒロアカ】白から黒、そして白【荼毘・燈矢】


私は自分が書いた荼毘のカルテを見ていた。

『余命半年と予想。』

カルテとも言えない殴り書きに、私は目を細める。
荼毘は私の初見の余命をとうに過ぎて、すでに1年ここに通っている。


定期的に見ている荼毘の体は、『良くなった』訳では無かった。
むしろ移植した皮膚の部分は、会うたびに剥がれ落ちそうになっている。


何故荼毘が生き続けているのか。
医者として、私は荼毘に興味が湧いた。






「開けろ!!」

深夜に一階のドアをドンドン叩く音で私は起きた。

目立たない場所に家を建てたが、騒がれるのは困る。
騒動になって警察が来るのが1番困るからだ。

この診療所には暗黙のルールがある。
『治療して欲しかったら、金と静かに来い』と言う事だ。



ちょうどこの時は荼毘も居て、部屋から出ると荼毘も自分の病室から出て来た。


「…病室の中に居なさい…。」
私はそう荼毘に言って、激しく叩かれているドアに向かった。


うるさいドアを開けて、勢いよく入って来たのは、明らかに堅気では無い風貌で、血塗れの男を担いでいた。



「おい!!さっさと治療しろ!!」
「………治療代は?」

私が白衣のポケットに手を突っ込んで仁王立ちしていると、男の手が武器に変化した。
手が銃になり、標準が私の眉間に当てている。


「殺されたく無かったら、さっさと治療しろ。」
「…………。」


この仕事をしていると、たまにこうした輩も来たりする。

しかし、私は絶対に治療したりしない。
『無償』が死ぬほど嫌いなのだから。


こんな時の為に、私はクロムホルムの瓶をポケットに忍ばせている。
落として瓶を割った瞬間に、彼らが気を失う様に。



その後は、そこら辺に捨てて警察に通報する。
面倒くさいが、結局それが1番面倒くさく無い片付け方だ。


そろそろ手をポケットから出そうとした時に、『蒼炎』が男を焼いた。

「?!」

蒼炎は明らかに私の背後から放たれて、私は振り返ってそこに居る荼毘を見た。




玄関に体を焼く嫌な臭いがたちこめた。

「荼毘!!」


男達の気持ちの悪い断末魔よりも、私は声を大きく荼毘を呼んだ。

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