【R指定】リクエスト・コミュ企画短編集【原作色々】
第11章 【コミュ企画】 【WB】優しい先輩ってやつ【梶蓮】
「言った所で仁美さんは、梶のモノにならないよ。」
………マジで本気で殴りたい。
いけしゃあしゃとそう言う梅宮さんに、俺は心底怒りが湧いた。
「……あんた本当に、自分が好きな女を皆んな好きだと思うなよ💢💢」
「分かってるって。梶は可愛い後輩で居てくれるって。」
目の前に居るのは、ボウフウリンのてっぺんなんかでは無く。
腹黒くあざといいけ好かないただの男だった。
別にこんな梅宮さんを見たいわけじゃ無い。
俺はとうとうイヤフォンを付けて、飴を口の中に含んだ。
もうこれ以上梅宮さんと話していたら、余計な事しか起こらない気がした。
そんな俺の拒絶さえ、梅宮さんは笑っていた。
あー…。余計な事に首を突っ込んだ……。
結局梅宮さんの他の顔を覗いても、俺には何も出来ないと思い知らされただけだ。
俺はきっと、あの女が少しでも顔が歪むのは嫌なのだ。
あの女が誰が好きで、なんでこの商店街に居続けているのかなんて、誰よりも知っている。
それだけあの女の事を見てたんだよ。馬鹿野郎。
ほんの少しの恋心さえ容赦なく潰しにかかるこの男を相手にするなんて。
そんな気持ちは呆気なく打ち砕かれる。
可愛い後輩ってやつに、ここまでやるかね……。
その言葉は梅宮の都合上に使われるただの牽制だ。
この男はきっと、口ではそう言っても。
これ以上あの女に好意を表したのなら、容赦なく潰しにかかるだろう。
その可愛い後輩ってやつを。
ー
ーー
ーーー
「仁美さん!なんでしばらく出禁なの??!!」
「だから!大学の課題が溜まってるんだって!!」
「…………………。」
「俺大人しく待ってられるよ!!??」
………なんでコイツら道中で痴話喧嘩してる訳?
しばらく会いたく無い人物に簡単に会ってしまう。
本当に小さな商店街だ。
「仁美さん、俺は仁美さんが全部初めてなんだから、ちゃんと責任取ってくれないと訴えるからね!!」
「「……………………。」」
俺とバカ女は同じ顔をして梅宮さんを見ている。
いや…もうその嘘すでに疑われてるじゃねぇか。