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【R指定】リクエスト・コミュ企画短編集【原作色々】

第11章 【コミュ企画】 【WB】優しい先輩ってやつ【梶蓮】


「はぁ…梶が側に居るだけでもイラッとしちゃうのに。」

……言ったな…この人…。

「だから、自分が好きな女が、他の男も好きだと思うの辞めた方がいいですよ。」

本当にいい迷惑だ。



「………梶さぁ……。」

「?」

そう言った俺に、梅宮さんは何か言いかけたが、結局何も言わなかった。

あの女の話をしていると、たまにこうした梅宮さんの間があった。



「あ、水月。」

俺を見ていた梅宮さんの視線が外れて、俺の背後に向かって梅宮さんは言った。

俺は梅宮さんの目線を追うと、すぐ後ろにフラフラ歩いている女が居た。



「…あれ〜一?」

その女は顔を赤くして、明らかに酔っているのが分かる。

フラフラしていて、見ていて危なっかしいと思った位だ。

(ん?知り合いか?)



お互い名前を呼び合って、顔見知りなのは明らかだった。

「またそんなに飲んで危ないよ。」

フラフラしている女の腕を掴んで、女の体を梅宮さんが支えた。




「一も飲み行く?まだ未成年だっけ?」

女は上機嫌で、梅宮さんの体にもたれかかった。



「……………………。」

その光景を見て、俺は何も口に出来ない。

いや、酔っ払いを介抱しているだけだろうが、何かザワついた。



「もう今日は飲むの辞めて帰るよ。」

そう言って水月と言った女の体を支える様に梅宮さんは歩き出した。



「梶も来て。」

数歩歩いて、呆然としている俺に梅宮さんは言った。

俺はついて行きたく無かったけど、梅宮さんの後ろを歩いた。



何だろう…。

このまま2人を残して帰ったら、モヤモヤした気持ちがずっと続く様な気がした。



梅宮さんが向かった先はタクシー乗り場で、酔っ払い女をタクシーに乗せようとしていた。

「そんなに酔っ払った人1人じゃ乗せられ無いよ。」

簡単に乗車拒否をされた。

そりゃそうだろう。

酔っ払い女はもう梅宮さんの腕の中で寝ていた。



「…はぁ…。またか……。」

梅宮さんはボソッと言って、自分も同じタクシーに乗り込もうとした。



いや。やっぱりダメだろう。



「俺も行きます!!」

そう咄嗟に言った俺に、梅宮さんは一瞬驚いた顔をした。

自分でも何でそんな事を言ったのか分からなくて、俺は戸惑いながら梅宮さんを見ていた。



「…乗りなよ。」
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