第1章 01
「貴女、19歳なんですね。」
「え?あ、はい。」
「車内のノンアルビールの事について少々お聞きしたいことが。」
「え、あ、ちょ、コレには理由が!飲んでない私は飲んでませんよ!?法律違反はしてませんよ!?」
「ええ、基本的にはセーフです。ですが…ノンアルコールでもかなり微量ですがアルコール分が入った物があるんです。ご存知でしたか?」
「え…マジ?」
「マジです。」
ニッコリ笑顔で答える銃兎
「私の足元に袋に入った空の空き缶が有りましたが?」
「あ、あー…それは…少し長い経緯になりますが言い訳聞いてくれますか?」
「端的にお願いします。」
「MTCの皆さんと会う前にシンジュクディビジョンの代表チーム麻天狼の観音坂独歩さんと車の中で話しててそれで彼にノンアルをあげました。一本お持ち帰りしてるので、1ケースで商店街のくじ引きで当たったけど1本足りないはずです。」
「ほぅ…彼とはどういう仲ですか?」
「今日、初めて出会った人です。」
「その日、出会った人と車内で二人っきりとは…」
「その言い方、何か含んでますよね…寂雷先生のメンバーの人で先生がチーム組む人ですし、先生が昼間、私に観音坂さんを会社まで乗せていってと頼まれたのでそれで知り合いになりました。ちなみにスマホの番号までは知りませんよ。寂雷先生を通してだったら分かるかもしれませんが。」
「神宮寺寂雷とはどういったご関係で?」
「先生とは医者と患者の身内だった関係です。色々良くして頂いたので未だに交流を持たせてもらっています。」
「患者の身内だった?」
「何やってんだ!さっさと入りやがれ!!…って、何やってんだ?銃兎。」
なかなか入ってこない銃兎と理鶯に痺れを切らし左馬刻が煙草を咥えながらやってくる
「少々、事情聴取していたところだ。」
「事情聴取だぁ〜?」
「どうやらシンジュクディビジョンの神宮寺寂雷と観音坂と交流があるみたいでな。それで銃兎が聞いていたところだ。」
「あ"ぁ"?先生とリーマンとか?……中、入れ。」
は、なんだか面倒臭い事になった…と心の中で思うと素直に従い中に入っていく