第1章 ご主人様の言うとおり
白濁液が唇から溢れてポタポタと垂れた。
射精直後でドロドロとしていたのと、予想していたより量が多くて、息がうまく吸えずに思い切りむせてしまった。
慌てて悟が体を起こしてティッシュを私の口元に当てる。
「ゆめか、吐き出して」
「う……っ、ケホッ……うぇっ、苦しすぎて噛み付いてやろうかと思っちゃったよ」
「過激なSMプレイは、クリスマスにする予定だから今はしないでよ」
憎まれ口を叩きながらも、背中をさすってくれる彼の口調は優しい。
口の中に残る彼の匂いと味に、軽く達してしまったなどとは羞恥で言えず、口元を手で押さえて無言になってしまった。
その様子に、悟は心配そうな表情で覗き込んでくる。
「ゆめか、一回口ゆすいで。気分転換にお風呂でも入ろっか」
二人ともベトベトだと言われ、自分の胸元を見ると確かに悟の汁と自分の唾液でデロデロになっていたことに気づく。
彼のワイシャツも衿(えり)のあたりが汚れているのを見て、自分が粗相をしたことを知る。
軽く潮を吹いて達してしまった可能性も頭をよぎり、恥ずかしくてワイシャツを凝視してしまう。
「ゆめかのメイド服、タグ見たら洗えるみたいだから、ワイシャツと一緒に洗濯してもらおうかな」
「……え、誰に洗わせるつもり?」
「総支配人に話は通してあるから、五条家御用達の業者に頼んで洗濯乾燥をスピード仕上げしてもらうよ」
悟はスマホ片手に誰かに連絡しながら、器用に私の衣装をひん剥いた。ストッキングも剥ぎ取られ、丸裸のままベッドに転がされる。
どこから持ってきたのか、大きめのふわっふわのタオルで私を包むと、半裸の彼に抱えられて、ベッドがある部屋を後にする。
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