第3章 猛毒の情火(五条視点)
混ざった体液を指に絡ませ、悶える恋人の秘部の突起をヌルヌルと撫でてやると、余裕のない嬌声が上がる。
「は……ぁ、あっ……あ、さと、る……」
背に手を回しておかないとゆめかが倒れそうになるので、僕の首に腕を回すように促すが返答はない。
四肢に力が入っていない彼女の体を支え、愛の言葉を囁きながら桃色の頬を伝う涙を舐めた。
「明日は勝手に2人分の休みを申請したから、ゆめかとずっと一緒にいられるよ」
1日中繋がっていようね、と彼女へ笑いかけた。
「ん、ん、ゔっ……ま、たイク……ッ」
その耳には届いたのか否か、恍惚として目を瞑ったゆめかが僕の頭を抱き締めてくる。
2回目の絶頂は、汗に塗れた肌に顔を埋めたまま迎えた。
放出した達成感と、頭が痺れるほどの愉悦。
鼻腔を抜ける愛しい人の匂いで幸せに満たされる。
くたり、とゆめかが僕に凭れたまま意識を手放した。一旦仰向けにして腰を引く。
グチャグチャになった結合部から白濁液が溢れ、彼女の尻を伝って垂れていく。
今日は記念日にしようか。
ゆめかを愛でて、二人で愛し合って、溶け合うように繋がって、ひとつになる。
僕じゃないと満足できないくらい、心と体に刻みつける特別な日。
そう浮かれながらも、ゆめかを繋ぎ止めるために、更なる手を打つべきかと、頭の片隅で冷静に思考を巡らせる。
「起きてから、どんな反応するかな」
罵詈雑言をくらうかもしれないが、それも一興。
ゆめかの身体を清め、シーツを新しいものに取り換えて彼女を横たえた。
涙と涎で濡れた顔をタオルで優しく拭いてやると、むずがるように眉間を寄せる。
「んー……さとりゅ……い、や……」
薄く開いた唇から、吐息混じりの呟きが聞こえた。
目を覚ましたかと期待したけれど、意識は浮上していない。
こうして無防備に眠る彼女を見ると、出会って初めて体を重ねた日のことを思い出す。
あの時と違うのは、僕はこの女性(ひと)無しの人生は考えられないということ。
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