第3章 猛毒の情火(五条視点)
毎回ゴムで避妊はしているが、効果は100%ではないことは知っている。
この間は我慢出来なくて、任務から帰ってきたゆめかを高専の空き部屋に引っ張りこんでシてしまったし、デート後のホテルでは挿れなかったけどガッツリ素股しちゃったしな。
なんなら彼女のアソコに思い切りぶっかけてしまったこともある……と、節操がなさすぎる自分を省みる。
まさに発情期の動物の如く体を重ねていた。
好きだの可愛いだの伝えていても、体が目当てだと思われてもしょうがない行動をしていた。
「あと、最近元彼から復縁を迫られて困ってるって。この間、買い物に行った時に偶然を装って待ち伏せされたらしいよ」
それを聞いてダラダラと冷や汗をかく僕の様子を見て、硝子が含み笑いする。
確かにココアを飲んでいるはずなのに、全く甘く感じない。
「そんなに焦るなら、もっと大事にしたら?」
「今までの僕を考えたら、かつてないくらいに彼女のことは大事にしてる」
「まぁ、そうだけど。ちなみに五条の女性遍歴も聞かれたから、素直に答えたら夢野が困惑してた」
「硝子の鬼!悪魔!ゆめかに拒否られたらマジで呪う」
「相当入れ込んでるな。一夜限りを繰り返してた奴が急に本気になったら反動が恐いって思ってたけど、これほどまでとはね」
鼻で笑って冗談を言い、飲み終わった缶をゴミ箱に投げ捨てた硝子が颯爽と去っていく。
さて、やるべき事が2つ。
1つ目、ゆめかの元彼を抹殺すること。
恋人が悩んでいるのだから、これは急務だ。家の力を使ってでもその男を社会的に潰す。
2つ目、ゆめかを抱く回数をセーブする。
ゆめかは優しいから、僕が纏わりついているせいで仕方なく付き合ってくれているのかもしれない。
無茶を続けて、夜の生活を拒まれ「顔も見たくない」と言われた日には、立ち直れないどころか、死にそうになるだろう。
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