第1章 ご主人様の言うとおり
そして、にこやかな笑みで彼は告げる。
「さ、ゆめか、お尻向けて僕の顔に座って」
「は?」
「は?じゃなくて、『はい、ご主人様』でしょ」
プレイ開幕早々、こいつは何言っているんだと思ったけれど、ここまで来たら腹を括ろう。
この変態に何を言われても驚くまい。
静かな夕凪のような心持ちで、ベッドに寝そべる悟の横に座ると足を開き、彼の顔を跨いだ。
「いやー絶景だね」
と、嬉々とした声が股から聞こえて、望まずとも逆に一人冷静になる。
「恋人の股に顔を埋めて満足した?」
「まだ全然足りないよ……ってか、ゆめか期待しすぎじゃない?大事なところの布の色が変わって濡れてるの丸わかり」
「うるさい。悟こそ、ここ苦しくない?」
体を前に倒し、窮屈そうにしている彼自身をスラックスの布越しに甘噛みする。
彼の含み笑いと共に、私の下着の紐が解かれて、濡れた秘部が晒される。ひやりとした空気と悟の熱い吐息を同時に感じて、それだけで背筋がゾクゾクとした。
負けじと口でファスナーを下ろして、天を向き始めている陰茎を取り出して口づけする。
フッと先端に息を吹きかけ、つぅっと人差し指で裏筋をなぞると、面白いようにビクビク震えながら、ますます硬くなる。
「期待し過ぎじゃないですか、ご主人様?」
「……さっきから破裂しそうだから、是非とも可愛いメイドさんに咥えてもらおうかな」
言われなくてもそうするつもりだった。
そそり勃つそれは、悟の綺麗な顔からは想像がつかないほど凶悪だ。亀頭に舌を這わせ、滲んだ先走りを舐め取ると、わずかに塩っぱい苦味が口内に広がる。
「ん、ふぅ……んっ」
悟の陰茎を口いっぱいに頬張りながら、一生懸命舌を動かす。
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