第1章 ご主人様の言うとおり
息がかかりそうな程近づかれ、ニオイまで嗅がれていそうな距離に、触れられてもいないのに秘部が疼いてきてしまう。
ふと、青い目と視線が合う。
視線が重なった瞬間、この人の手で下着を脱がされてしまうのかと思ったら顔から火が出そうになった。
これ以上は恥ずかしくて動けなくなりそうなので、白髪を押し退けて股から遠ざけ、バッグを無理矢理奪い取って別室でメイド服に着替える。
悔しいかな、これでも長い付き合いだから、あの変態の興奮するツボは心得ていた。
黒と白のフリルがふんだんに使われた膝丈のスカートに、胸元の露出が大きく、布を引っ張られたら胸が零れ落ちて丸見えになってしまうようなデザインのメイド服を通販で買った。
試着できなかったから、胸から腰にかけて少しムチムチしている気がする。鏡を見ながらヘッドドレスを装着した。
そろりそろりと部屋へ戻ると、中央のテーブルには、恐らく悟用にあつらえられたであろうスイーツの山が設置されていた。
そこからマカロンを取ろうとしている彼の前にズイっと進み出る。
「ご主人様、誕生日おめでとうございます」
胸の前で手をモジモジしながらお祝いを伝えると、彼の手からピンクのマカロンがポロッと落ちて、床にぶつかって潰れた。
そのまま青い目を精一杯見開いて真顔で固まってる悟に、知らない内に何かやらかしたかと思って狼狽えると、
「ゆめか、おいで」
素早く横抱きにされ、ダブルベッドに連行される。
スーツの上着を脱ぎ捨て、ベスト姿になった悟がベッドに乗っかるとキシキシと揺れた。
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