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【呪術廻戦】その変態は最強である【R18】

第3章 猛毒の情火(五条視点)



「悟……そろそろ遅刻しちゃうってば」

これが幸せだとしたら、まるで綿菓子みたいだ。

甘くて、力を込めて触ったら潰れてしまいそうな、そんな脆さを秘めている。

彼女の鈴を転がすような声の余韻に浸っていると、抱きしめている僕の手に、ゆめかの手が重なった。

「先に行くね」

腕の中からゆめかがスルッと抜ける。

僕の唇に微かな感触を残し、やわらかい彼女の唇がゆっくりと離れていった。

そのまま部屋を出ていく後ろ姿を見送り、しばしの間何が起きたのか理解出来ずに、言葉が出なかった。


「え?は?キスされ……た?」


ドアが閉まる音で我に返った。

交際を始めてから、しらふのゆめかからキスされたのは初めてだった。

急に変な恥ずかしさがこみ上げてきて、衝動的に枕に顔を埋めた。

そのまま一人で悶えて、ダブルベッドで転げ回って、変な呻きが口から出てしまう。

恋の病で重症どころか死んでしまいそうだ。

いつも通り、今日もおびただしい数の任務を掛け持ちしているので、終了予定時刻は22時頃のはずだ。

ほんのちょっとだけ手荒に最速で終わらせれば、2時間は繰り上げられる。

伊地知が運転する車の中でデートコースを練るか。

そう思いながら、枕を抱き締めた。



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