第1章 ご主人様の言うとおり
他の高層ビルで少し陰り、ふっと薄暗くなる。
目の前のガラスが鏡のようになって彼の姿も写るが、その表情は髪で隠れていて窺い知ることができない。
「……ゆめかを一生閉じ込めて、僕しか見えないようにするのもアリかな」
トーンダウンした彼の呟きと同時に、私の腹部を抱きしめる片腕にぎゅっと力がこもった。
監禁の話の流れで、悟ならやりかねないと少し焦ったが、どうやら今日は甘えたの性格が顔を出している気がする。
また上層部絡みとか、仕事で嫌なことがあったのかなと思いながら、背後から抱きしめられたまま彼の頭を撫でる。
子供をあやすように「よしよし良い子、今日もお仕事頑張ったね」と褒めると、悟から頬ずりされた。
「悟って、大きい赤ちゃんみたい。これから私の『ご主人様』になるのに」
「ゆめかから急に母乳出るようにならないかな。ぴゅーってさ」
「嫌だし。リアル赤ちゃんプレイする気か」
あーだこーだとイチャつきながら目的の階に着くと、恭しくエスコートされる。カードキーでドアを開けて中に入ると、ドアの閉まった音を合図に、
「ゆめか、スカート捲くって見せて」
と、雄のスイッチが入った彼が耳元で囁く。
早く早く、と吐息混じりに急かされ、耳が熱くなるのを自覚しながら、コートごとスカートをゆっくりたくし上げる。
彼のリクエスト通り、布の面積が少なめのTバックで、しかも両側を紐で結ぶタイプの下着が露わになる。
ガーターベルトと黒ストッキングも着けてるから、いつもと違って股がスースーするし、思わずお尻に力が入って足がプルプルしてしまう。
「今すぐにでもゆめかを押し倒したい気分」
「……っ、パンツだけで興奮しすぎでしょ」
「僕のリクエスト網羅してくれてる上に、ガーターベルトも着けてくれてるとか感動。フリル付きの黒ストッキング最高にエロい。鼠蹊部のあたりの肌の白さとのコントラストが最高」
股の前にしゃがみこんだ悟に、フェチっぽい実況付きでまじまじと視姦される。
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