第2章 中毒ロマンス(五条視点)
「ゆめか、声は我慢しなくていい」
「……っ、だ、め……」
弱々しく抵抗するように頭を押さえられ、隠された宝物を暴くような興奮が沸き上がる。
ダメと言われたら、やりたくなるのが人の常。
「……ふ、ぅ……っ、は、あ……」
熱気が増す部屋で、彼女の短い呼吸音が響く。
胸の先端をつねって、指と舌で押しつぶして、ますます硬くなるそれを弄んだ。
もじもじと太ももを擦り合わせる様子に、感じてくれているのだと分かり満足する。
酒で上気した肌が手にしっとりと馴染む。
怖がらせないよう、彼女の太ももを撫でてから膝をさすると、予想に反して抵抗が強くなった。
「ゆめか」
子供に言い聞かせるようにその名前を呼ぶと、腕で目元を隠したまま唇を噛み締めた彼女が首を振った。
「……もう終わりにする?」
問うと、また首を振ったので、どうしたものかと一考する。攻めるか退くか。
このタイプは、手順を間違えたら永久にシャットアウトされる。
もう一度名前を呼んでから、キスするだけだと伝えて腕を退けさせると、今にも涙が零れ落ちそうなほど潤んでいる瞳と視線が合う。
男の劣情を焚きつける顔だ。
「大丈夫だから。ゆめかが嫌がることはしない」
緊張で浅く呼吸を繰り返す華奢な肩を撫で、額、目尻の順に軽くキスを落とす。
親指で彼女の下唇を二、三度なぞり、嫌がらないことを確認してから熱を分け合う。
「……ん、んっ……ふッ……」
やわらかい唇同士で啄むように戯れてから、お互いの湿った粘膜で触れ合う。
彼女の反応が気になるプレッシャーからか、自分の心音がトクトクと体に響いてうるさかった。
「ゆめか……」
彼女の赤くなっている耳を指先で愛撫しながら名前を呼ぶと、「あっ」と上がる焦った声と、怯える小動物のようにふるふると震える様子が可愛い。
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