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【呪術廻戦】その変態は最強である【R18】

第2章 中毒ロマンス(五条視点)



「んー、ショコラオランジェのほうが好き」
「……それだ!」

何気なく感想を口にした彼女に、マスターが目をカッと開いて叫ぶ。急に創作意欲が刺激されたのか、何やら無心でメモ書きしている。

余計なことは詮索せず距離感は的確に、けれど気さくに接してくれるタイプの人物だが、いかんせん一度集中すると没頭しはじめる。

頬杖をついてそれを眺めていると、マスターはオレンジリキュールがどうのと呟いて職人の世界に浸り始めたので、再度隣に視線を移す。

「お兄さん、ごちしょーさま」

口ではご馳走様と言いつつ、僕の手元のパフェに注がれる相手の視線。

「ワッフルもどう?」

舌足らずで話す彼女に、フォークで適当な大きさに切ったキャラメルソース漬けのワッフルを近づけてみる。

唇にワッフルを軽く押し付けると、パクッと戸惑いなくそれに食らいつく様子に、雛に餌付けしている気分で笑ってしまう。

口端から垂れてるソースを指摘すると、彼女は酔って虚ろになっている瞳のまま、赤い舌でペロリとそれを舐め取った。

一瞬、舌の動きがエロかったなと男の煩悩が頭を横切る。

それを見ていたマスターが、呆れた様子でため息ひとつ。

「あんまりゆめかちゃんで遊ばないでね。この子、酔ってると何でも口に入れちゃうから。
危なっかしいし、悟ちゃんがタクシー乗り場まで送ってあげてくれない?」
「……はぁ?酔っ払いの御守りをするためにココに来たんじゃないんだけど」
「私は開店準備があるの。なんだか放っておけないじゃない。ほら、悟ちゃんなら送り狼するほど飢えてなさそうで安心だし」

次は一杯サービスするから、と。

胸の前で両手を合わせて頭を下げるマスターに免じて、渋々了承した。

パフェに乗り切らなかったワッフルの余りをお土産にもらい、少しお高めのチョコレートシロップの小瓶もお詫びで紙袋に入れられていた。



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