第6章 ご主人様のお気に召すまま【後編】
「じゃあ特注のケーキ用意してさぁ、ゆめかには裸エプロンならぬ裸リボンしてもらって、Xmas緊縛SMプレイ大会の開幕を……」
「そんな大会、開幕も閉幕もさせないから」
油断も隙もない。
イタズラを思いついた悪ガキのような目をして宣う内容は、後から実行する可能性が高い。
これだから、行動力がある変態は困る。
「とかなんとか言っちゃって、結局ゆめかも流されて最後までシちゃうくせに素直じゃないよね」
悟は視線を落とし、掴んでいた私の手に口付けを落とす。
ちゅっと音を立ててキスをして、手の甲や手首にも唇を押し当てていく。
何度も繰り返される行為がくすぐったくて身を捩ると、今度は舌を出して舐め始めた。
生温かい感触が皮膚の上を這う感覚に背筋がぞくりと震えてしまう。
「んっ……だめ、舐めないで……」
「じゃあ、こっちは?」
べろりと手のひらを舐められ、指を咥えて甘噛みされる。
そのまま指先から第一関節までゆっくりと口に含まれ、ぬるりと舌が絡み付いてきた。
時折強く吸われたり、歯を立てながら甘噛みされたりと、緩急をつけて愛撫されるうちに身体の芯が熱くなり始める。
「悟、ちょっと待っ……あ、やだ……っ」
制止しようとしたが、その間も悟は執拗に肌に吸い付いてくる。
腕のやわらかい所を強く吸われ、思わず吐息混じりの声が出てしまった。
それに気をよくしたらしい彼が更に強く吸い付く。
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