第6章 ご主人様のお気に召すまま【後編】
「えぇい、なんでそうなるの!」
「んー?だって、誕生日は僕の言う事聞いてくれるって約束したのはゆめかだろ」
「うわぁ……もーやだぁ……性癖以外は最高なのに……こんなド変態が私の婚約者だなんて……」
「ゆめか、心の声がダダ漏れ」
拳を握り締めて震える私に、悟がクスクス笑う。
徐ろに尻尾とローションをテーブルに置き、ベッドに移動すると、悟は自分の隣をポンポンと手で叩いた。
先程の行為で乱れたはずのシーツは、綺麗にセッティングし直されていた。
今度は何かと思って彼に近付くと、
「膝枕してよ」
と、意外とまともな彼のお願いに面食らう。
悪戯されないか心配してチラチラと悟を見ながら、隣からベッドの上に乗って足を伸ばし、端っこだと落ちてしまうことを伝えて、膝に彼を誘う。
あからさまに嬉しそうな表情で、悟はいそいそと私の膝に頭を乗せた。
スカートが短いせいか、彼の髪が太ももをくすぐってむずがゆい。
「ゆめかの太もも、ムチムチ、スベスベ」
「……んっ、ちょっと……」
スリスリと頬ずりされながら太腿を撫で回される。
際どい部分まで指が到達しそうになって、慌てて手で制止する。
悟は唇を尖らせて不満気だったが、大人しく私の膝枕を楽しんでくれているようだ。
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