第6章 ご主人様のお気に召すまま【後編】
「まあ……でも、あの変態と婚約した私も大概か……」
私の髪色と完全に一致している猫耳の毛はものすごく手触りが良くて、猫耳付きのカチューシャも頭が痛くならずに馴染む。
オーダーメイドの金額的に、いくらしたのか気になってしまう。
着替えて猫耳と首輪をセットしたところで、あることに気付いて顔面蒼白になる。
ベッドルームのソファにいた悟のところへ直行した。
「お、ゆめか、すごく似合……」
「悟!尻尾って!」
「え?尻に入れるに決まってるでしょ。アナルプラグも知らないの?細いの選んであげたからゆめかでもイケる……」
「……っ、悟のバカ!」
涙目の私が投げつけた猫の尻尾が、無限に阻まれて床に転がる。
バスローブ姿でくつろいでいた悟は、私の反応が予想外だったとばかりに綺麗な青い目をパチパチと瞬かせた。
「尻尾、僕が入れてあげよっか?」
尻尾を床から拾い、何故か既に傍らにスタンバイしてあるローションを片手に、悟が笑顔で提案してくる。
そう、私が尻に入れるのはさも当然、という表情だ。
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