第6章 ご主人様のお気に召すまま【後編】
「な、な……」
シャワーを浴び終わり、今日のメイドプレイ用にと悟から贈られた衣装を脱衣場で広げてから、私は思わず呆気にとられてしまった。
「どこがメイド服だよ。悟の趣味に偏りすぎでしょ」
百歩譲って、胸元が大きく開いていて腰が絞られているデザインと、ニーハイソックスがセットになっているのは構わない。
しかし、スカートの丈が短い、特に前側が短すぎる。
立っている状態でギリギリ、ショーツが隠れる程度。
少し動いたら、絶対スカートの中が丸見えになる。
フィッシュテールドレスのように、後ろの裾が長くなっていて、どこか色っぽさもある。
動く度に揺れる綺麗なレースのフリルが上品だが、これから行うのは下品の極みの行為なので複雑な気持ちになる。
「お尻お尻言ってたから、後ろの丈が長いのは意外」
衣装に添えられていた猫耳と尻尾、鈴付きのレース編みの首輪。
素人が見ても分かる、間違いなく一級品だ。
これを一式用意した悟の力の入れように、思わず真顔になる。
「悟の趣味に染まりつつある自分が嫌だわー」
事実、下着もすべて悟から贈られたもの。
あの変態にしては、選ぶデザインが私の好みを的確に押さえているので、それが余計嫌だ。
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