第5章 ご主人様のお気に召すまま【前編】
しばらくしてから目が覚めると、悟は既に起きていた。
シャワーを浴びていたのか、バスローブ姿で白い髪が濡れている。
ぼんやりとその姿を見つめていると、不意に振り返った彼と目があった。
途端にさっきのことを思い出し、顔が熱くなる。
慌てて私が目を逸らしてタオルケットに顔を隠すと、「起きた?」と聞きながら悟が近付いてきて、私の髪に軽く口付けた。
そのまま抱き寄せられて、優しく頭を撫でられる。
「夢みたいだよね、こうして昼間からゆめかとゆっくり一緒にいられるなんてさ」
甘い雰囲気にドキドキしながらも、私も頷き、されるがままに身を預けることにした。
しばらくそうしたあと、思い出したように彼が言った。
「夜はメイドプレイが待ってるからね」
やっぱりそうきたか。
私はげんなりしつつも、「すっごく楽しみィ」と破顔した悟を残し、気怠い体を起こしてシャワーを浴びることにした。
いつの間にか、体温で溶けてドロドロになっていた生クリームは拭き取られていたことに気付く。
悟の方を見ると、
「ゆめかがシャワー浴びている間に、脱衣場にメイドさんの衣装置いておくから、着替えて出てきてね」
彼の口元は笑っているのに、目が笑っていない。
行為が一段落したのに、もう既に獣のような瞳をしていることに身震いしてしまった。
まだまだ、今日は日が傾いてすらもいない。
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