第1章 ご主人様の言うとおり
腿から足先まで泡立ったボディソープが広がっていく。
思ったよりも変なことはされなそうだな、と安堵してシャワーのコックを捻ろうとした手が上から握りこまれる。
「まだダメだよ」
私の耳朶にぴったりと唇を押し付けながら、低い声で囁かれた。
こちらの動きを封じられ、再び彼の手はボディーソープを乗せた胸を揉みしだくようにして洗い始めた。
ヌルヌルとした感触を利用して乳首をしごかれ、息を詰める。
「……っ、ふぅ……」
「ゆめかは胸が弱いねぇ」
悟の指の腹で乳首を転がされるように捏ねられ、思わず体がビクついてしまう。悟は私の反応に気を良くしたのか、そのまま弄り続けた。
「あっ、や、だぁ……」
「そんなオネダリするような声出してさぁ……ゆめかの『やだ』って、本当は嫌がってないでしょ」
彼は楽しそうに笑いながら、私の耳を甘噛みしてくる。執拗に這い回る生温かい舌の感触に、背筋がピンと伸びる。
悟の手は止まらない。
胸全体を泡立てるようにして撫でたかと思えば、今度は乳首を優しく摘まみ上げて刺激してきて、自然と声が出てしまう。
「あっ、はぁ……んっ」
後ろから私を抱きしめていた手が、臀部に降りていく。期待に全身が熱くなると同時に、少し怖さもある。
「……ん、ふっ……」
双丘を優しく撫でられるのが気持ち良くて、腰が揺れてしまう。悟の手は尻から足の付け根へと移動し、内腿や膝の裏まで丁寧に泡立てていく。
胸以外は決定的な箇所に触れない。
燻るフラストレーションだけが溜まっていく。
→