第2章 私と坊やと、雨のち曇り。
「勉強終わったら一緒に遊ぼう。約束」
坊やの前に小指を差し出すと、私の顔と小指を2回ほど見た後、彼の小さな小指が私の小指に絡んだ。
「約束だよ。嘘ついたら、"茈"するから」
「それはやめて。地球ごと滅ぶ」
こうして私は、坊やと約束を交わして買い物へ出かけた。
坊やは着物しか持っていない。
由緒正しき家だからかもしれないが、世の中は洋服を着ている人たちで溢れている。
ただでさえ目立つ子供なのに、着物で外に出たら更に目立ってしまう。
と言うのは建前で、着替えさせるのが面倒というのが本音。
五条家専用ドライバーに送ってもらい大型ショッピングモールへとやって来た私は早速、あの子に似合いそうな服や靴を片っ端からカゴの中に入れた。
あとパンツも。
他に必要な衣類は……あ、靴下。
靴下忘れてた。
新幹線や恐竜に興味ないからな、坊や。
かといって無地なのもなんか楽しくない、私が。
「………無難のでいいか。もう何が正解かわからん」
3足500円の安物を何個か買い、ついでに私も自分の下着と服をいくつか買った。