第2章 私と坊やと、雨のち曇り。
「にしてもでかすぎでしょうが。一緒に寝るにしてもダブルで十分だよ」
「おっきくなったら狭いじゃん」
「え。おっきくなっても一緒に寝るの?」
「え、寝ないの?」
当り前でしょ、みたいな顔をするんじゃない。
一緒に寝るのは小学校低学年までです。
私はくそでかため息を心の中で吐いた。
と、その時。
襖が開き、女中3人が頭を下げ座礼の姿勢のまま口を開く。
「悟様、お荷物をお持ち致しました」
「そこに置いといて」
「荷物?」
「うん、と俺の荷物」
今、なんと言いましたか。
"と俺の荷物"、だと?
目の前がぐらついた。
なるほど、そう言う事か。
ここは"暁の部屋"ではなく"暁と五条悟の部屋"ということか。
だからこんなクソ広い部屋なのか、納得した。
4歳の子供に転がされるなんて……。
私と坊やの荷物が部屋に運ばれれば、広かった空間も少しは狭くなった。
それでも広いけど。