第1章 私と坊やと、雨のち雨。
正直に言おう。
なんだこの家は。
外でもでけえと思ったけど、中はもっとでかい。
いや、でかいなんて言葉じゃ表せないくらいでかい。
どこかの武将の城ですか?ってくらいでかい。
廊下も馬鹿みたいに長いし。
あと、雨だからかな。
よく見えなかったけど、離れあるよな。
一つじゃなくて、二つか三つくらい、下手したらもっと。
あそこにお世話係だのなんだのって人たちが住んでいるのかな。
敷地の広さはどのくらいなんだろう。
東京ドームくらいあったりすんの?
大事な事だから何度でも言わせてもらうね。
マジででっかい。
これが五条家……。
ため息しかでてこないね、こりゃ。
五条家に呆気にとられる私は、促されるままにこの家の次期当主であるお方と対面する事となった。
五条悟。
次期当主の名前であり、私が護るべきお方。
なんでも無下限呪術の術式を相伝し尚且つ六眼の持ち主というサラブレッドで文字通り現代最強のお方。
無下限呪術と六眼が同時に遺伝したのは100年ぶりって聞いた。
SSRどころの話ではない。
SSSSSSSSSSSSSSSRくらいレア中のレアじゃん。
めちゃくちゃ簡単にいってしまえば、ヤバくて強い人。
無下限呪術なら護る必要あるのかなぁとか思うけど、子供だしな。
なにかあったら困るのかもしれない。