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【呪術廻戦】私と坊やと、晴れのち○○

第1章 私と坊やと、雨のち雨。






そんなことがありながら、私達ははじめに加茂家に挨拶しに行った。
が、加茂家の人間は私に興味がないのかそれとも私が見えていないのか、透明人間みたいな、空気みたいな扱いを受けた。
逆に坊やに対しては「悟様~」と猫撫で声の女郎たちが坊やを可愛がっていた。
坊やの瞳は死んでいた。
あれ、人間ってこんなにあからさまな態度取れるんだっけ。

禪院家に挨拶しに行けば「五条家のお坊ちゃま~」と明らかに作ってんなこいつらってわかるくらいの態度で坊やをおもてなし。
坊やの瞳は死んでいた。
私は私で壁役となったことを報告すれば、嫌味嫌味嫌味のオンパレード。
よくもまあ赤の他人に対してここまで皮肉たっぷりの言葉をかけられるものだ。
しかもたかだか14歳の子供に。
あれ、おかしいな。
こいつら私よりだいぶ年上なんだけど。
大人げねえし、態度の豹変ぶりがすげえ。
隠そうともしない。
嘘でもいいから猫かぶれ。

禪院家で挨拶をしている最中、張り付けた余所行きの笑顔がそろそろ限界を迎えようとした頃、私はトイレに行きたくなった。
許可を取ってトイレに行こうと立ち上がれば、坊やがどこに行くんだと言わんばかりに着物の裾を掴んだ。

「お手洗いに行くだけですよ。すぐ戻ります」
「……俺も行く」
「オムツを替えに?」
「パンツだもん!!」
「あっはっはっ。じゃあ一緒に行きますか」

思わず大声で笑ってしまった。
大人の鋭い眼光が私に突き刺さるが気にしない。
今は私の膀胱の危機だから。



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