• テキストサイズ

人魚姫【文スト/中原中也】

第7章 守るモノ


毎日メールのやり取りはしているが、やっぱり逢いたいものだ。

たった数日逢えないだけでもこんなに寂しいとは、、、、。

素直に逢いたいと云えばいいのだろうが、やっぱり云えない。


中也くんはポートマフィア幹部だ、ただでさえ忙しいのに私のためにいつも送り迎えをしてくれていたのだ。

この前だって、私の我儘でお泊まりまでさせてもらった。

これ以上中也くんの負担になりたくなかった。

そんなことを考えながら街を歩いていた時だった。


"中也くん、、、、"

逢いたくて、堪らなかった彼がいたのだ。

でも彼の隣には女性がいた。

モデルさんのように背が高く、着物姿の赤毛が特徴的な美人な方だった。

仲睦まじく話している2人、時折顔を赤らめる中也くん。

あんな顔をした中也くんは初めて見た。



2人の関係が気になって仕方がない。

直接中也くんに聞けばいいのに、聞けない。

真実を知るのが怖いのだ。


やっぱり私じゃ釣り合わないのかな。

そういえば、初めて中也くんと繋がった日から抱かれていない。
中也くんを満足させてあげられなかったのかな、、、。


やはり気になり、意を決してメールを送った。

"今日仕事?"

"「ああ、どうかしたか?」"

"無理しすぎてないかなって気になって!お仕事頑張ってね!"

"「おお、ありがとな!」"

どうみても仕事している風には見えなかった。

やっぱり、、、、


浮気されたのかな、、、。

不安で胸がいっぱいになった。

突然携帯から通知音が鳴る。

メールの差出人は太宰さんからだった。

"「今すぐ探偵社へ戻れ」"

この文章のみだった。

兄さんといい、太宰さんといい、理由を教えて欲しいものだ。

手っ取り早く、買い物を済ませ事務所へと戻った。


/ 82ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp