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人魚姫【文スト/中原中也】

第7章 守るモノ


画面に映される映像に息を呑む。

"澁澤龍彦"


この人物は、私の両親を殺した奴らの仲間の1人だった。

まさかまた戻ってきていたなんて、、、、

怒りで身体が震えた。

『ッ、、、、。』

敦「さん、、、?」

敦くんの声で我にかえった。

"なんでもないよ!少しぼーっとしちゃってた。"

敦「きっと疲れですよ、少し休まないと!」


そんなやりとりを乱歩はじっと見つめていた。

会議のあと兄さんに呼び出された。


乱歩「、この男って、、、、」

流石は兄さん、きっともう気付いているんだ。

素直に頷いた。


乱歩「そうか、、、。、今夜は1人にならないようにね。」

いつになく真剣な眼差しの兄さんに、頷くしかなかった。



谷崎「さん、すみません。急な依頼で、、、」

"気にしないで!依頼の方が大事だから、お使いは任せて!"

今日のお使い当番は谷崎くんだったのだが、急な依頼でいけなくなり代わりに私がお使いに行くことになった。


久しぶりに街に出た気がする。
ヨコハマの街は賑わっており、今日は特にカップルに目がいく。

それもそのはず。
ここ数日、中也くんに逢えていないからだ。
最近は特に互いに仕事が忙しく、2人の時間が取れずにいた。
おまけに送り迎えもこの2日は中也くんではなく部下の立原さんがしてくれているのだ。


大丈夫と云ったが、心配だからとのことで中也くんのご厚意に甘えさせてもらった。



立原さんは凄く面白い方で自然と仲良くなれた。
中也くんのことはポートマフィアと知らない体でいて欲しいと中也くん本人からお願いされたので、お花屋さんということで話をしている。

でも立原さんはちょくちょくお花屋さんということを忘れているので、ついつい笑ってしまうこともある。



そして変わらず花束だけは中也くんから贈られている。


立原さん曰く、中也くんがお花を決めてくれているらしい。


お花を選んでいる中也くんの顔が自然と思い浮かび、私もついつい顔が綻んでしまう。



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