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人魚姫【文スト/中原中也】

第7章 守るモノ


慌てて探偵社に戻ったが、特に変わりはなかった。

与謝野「、まだ帰んないのかい?」

"あと少しだけ、残業してから帰ります!"

与謝野「そうかい、あんまり無理するんじゃないよ?」

与謝野さんを見送り、資料に目を通した。

正直残業なんてしなくてもよかった。
でも、仕事に打ち込んでいれば余計なことを考えずに済むのだ。

澁澤のこと、そして中也くんのことを、、、、。


1時間ほど残業して、外へ出ると辺りは真っ暗になっていた。

久しぶりに1人で帰る道、いつもの変わらないが異変を感じた。

この時間からまだ賑わっているはずなのに。

人影もなく、不気味なほど静かなのだ。

すると突然霧が現れ出した。

まさか、、、、

これって例の、、、。

その時、突然何者かに攻撃をされた。

間一髪避けれたものの、かなりの殺気だ。

振り向くとそこには、、、、


"私、、、、?"

自分にそっくりの影だった。

影は容赦なく攻撃を仕掛けてくる、なんとか攻撃を交わし、反撃を仕掛けようとするも相手もなかなか隙を与えてくれない。

相手の動きから見てやたらと顔を守る動きをしている。
そこで気付いた。


弱点を、、、、


"なんとか隙をつかなくちゃ、、、"

ふとあることを思い出し、バッグの中に手を突っ込み目的のものを探し握りしめた。

影が攻撃をしに、私に近づいたところを狙い、栓を抜く。

辺りが突然眩い光に照らされる。

影の動きが一瞬止まった、その瞬間を逃さなかった。

隠し持っていたナイフで、額の石を破壊するのに成功した。

手の中にあるモノに感謝した。
それは国木田さんから渡された閃光弾。

少し前に護身用にと渡されていたものだった。

そして、眩しい光の中でピンポイントで狙えたのは社長のおかげ。

"目で見るのでなく、気配で感じ取れ"

長年、社長直々にトレーニングを教わっていた賜物だ。


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