第5章 探し求めていた彼女。
「選択は任せるだと?手前がそれを云う時はなぁ、何時だって選択肢なんてねぇんだよ。」
が俺の手を掴んだ。
"ダメ!!中也くんが死んじゃう可能性があるんでしょ?なら私が異能力を使う!"
の手を優しく振り解き、彼女を抱き寄せた。
「手前が声を出さない理由(わけ)を聞いた。使いたくねェんだろ?」
"でも、、、"
「俺の心配してくれてんのか?心配すんな、好きな女を置いて死んだりなんてしねェからよ。さっさと彼奴を片付けてくる。だから少しだけ待っててくれ。」
そう彼女に伝え、触れるだけの接吻をした。
『ッ////』
「汝、陰鬱なる汚濁の許容よ。更めてわれを目覚ますことなかれ。」
----------
突然中也くんの様子が変わった。
『ッ、、、、、。』
ジョン「なんだ?あれは、、、」
太宰「知りたいかい?組合の働き蟻くん。あれが中也の異能の本当の姿だよ。」
"あれが中也くんの異能力、、、"
思わず息を呑んだ。
太宰「中也の汚濁形態は周囲の重力子を操る。圧縮した重力子弾はあらゆるものを呑み込む暗黒空間(ブラックホール)だ。但し本人は力を制御できず、力を使い果たして死ぬまで暴れ続けるけどね。」
そんな、、、、。
中也くんはそんな危険を判ってて、私を守るために、、、。
私は彼の無事を祈ることしか出来なかった。
太宰「拙いな、中也の身体が保たない。」
ジョン「生憎だね。ああなったラヴクラフトを外部から破壊する手段なんて存在しない。」
太宰「外部から?つまり、内部からの攻撃は効く訳だ。」
ジョン「くっ、、、!」
太宰「フッ。」
太宰さんはポケットからスイッチを取り出し、ボタンを押した。
次の瞬間あの怪物から爆発音がした。
太宰「やっちまえ、中也。」
「おりゃぁあああ!」