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人魚姫【文スト/中原中也】

第5章 探し求めていた彼女。


佐々木「えっ、、、?」

突然のことに佐々木は身体が動かなかった。

正確に云えば、動かせないのだ。

「さっさとの居場所を吐きやがれ、組合のスパイさんよぉ。」

佐々木「ッ、、、、何故、、、」

「癪だが、糞太宰からの情報だ。」


中也は太宰からの伝言で組合のスパイを探していたのだ。

チワワ=スパイが紛れ込んでいる

昔からの暗号だった、だが誰がスパイか判らなかった。

だが、先ほどの佐々木の言葉で確信したのだ。

「彼奴(少女)と出逢ったのは浜辺じゃねぇんだよ。」

佐々木は勘違いしていたのだ。

海で出逢った話を中也から聞いた際に、浜辺を勝手に想像していたのだが、実際のところは崖だったのだ。


「とっととの居場所を吐きやがれ、黙ってると重力に潰されるぜ?」

佐々木「ッ、、、、ふふ。残念ね。もう少しだったのに、、、。」

「どういう意味だ?」

次の瞬間、突然佐々木は苦しみ始め、そのまま死んだのだ。

「糞ッ、、、。毒を口に忍ばせてやがったのか。」

佐々木が死んだという事はの情報が無くなったのだ。

「、、、頼む、無事でいてくれ、、、。」

心のどこかではと少女と重ねていることが駄目だと思っていた。

佐々木が現れたときは、ほんの一瞬だけ心が揺らいだ。
ずっと探していた少女をやっと見つける事が出来たから。

然し、への気持ちは変わらなかった。

あの時、無理矢理にでも手を掴めば善かった。

そうすればは無事だったのだから。




ところが事態は急変するのであった。


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