第1章 出逢いと再会
兄さん達には隠し事しても無駄なので素直に話した。
勿論、7年前のことは2人とも知っている。
兄さんと与謝野さんとはもう10年ほどの付き合いなのだから。
与謝野「へぇー!ついに出逢ったのかい、善かったじゃないか!」
乱歩「ふーん、再会したんだ。」
与謝野「おや、乱歩さん。まさか、、、、」
乱歩「与謝野さん、変な勘違いをしないでよ!僕はが心配なんだ。」
与謝野「はいはい、本当に乱歩さんは妹想いだねぇ」
この時乱歩は眼鏡をせずとも推理をしてしまっていた。
中也の正体も判ったのだ。
然し乱歩は、中也の正体を見抜いただけで、中也本人の心の中までは推理できなかった。
の悲惨な過去を知っているが故に、心配なのだ。
を傷付けたくない。
兄としての想いだった。
乱歩「、絶対に自分だと云っちゃ駄目だよ!」
やけに真剣な顔つきの兄さんだった。
私は素直に頷いた。
元々正体を話すつもりなんてなかった。
社長と兄さんと約束したのだ。
私を守るため、そして皆んなを守るために
私は異能力を使わないと。
中原さんに使った時は、仕方がないとのことで許して貰えたが念の為、中原さんに出逢ったとしても他人のフリをしろと約束したのだ。
だから云えなかった。
ふと中原さんの顔が過った。
また逢いにきてくれるかな、、、、、。
そんな淡い期待を持ってしまっていた。
彼との再会、そして恋の始まりであった。