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マイナス、のちゼロ距離センチ【WIND BREAKER】

第2章 スーパーヒーロー、その名はボウフウリン


(な、なに……!?)

突然の大声にビクッ、と大きく肩を揺らし声の発生源の方に顔を向ける。するとそこには、オレンジ髪の背の高い男の子がこちらをビシッ、と指差していた。……どうやら、彼がさっきの大声を発した人物みたいだ。
彼はこちら……正確には桜さん達を指差していたけど、すぐに何かを思い出した様にハッ、とした後、後ろを振り返りまるで誰かを探すかの様に辺りを見渡す。そしたら目的の人物が見つかったみたいで、右手を上げて大きく振り出した。

「おーい!桐生君!桜君達おったでー!」

その言葉に彼の視線を追うと、少し遠くの方で応える様に右手を小さく振っているピンク髪の男の子がいた。
それを見届けてから、オレンジ髪の男の子はこちらに向き直り、ズンズンと大股で近づいて来る。その表情は、どこからどう見ても怒っている顔だった。

(だ、誰だろう……?)

彼らが誰か分からないけど、オレンジ髪の男の子が桜さんの名前を知ってるし、服装が2人共同じ学ランなことからお友達だろうか。
隣にいる蘇枋さんに聞いてみると、「うーん……」と少し考えてから口を開いた。

「友達というよりは、頼もしい仲間かな」
「仲間……ですか?」
「うん」

「まあ、今こっちに来てる彼は暑苦しいのがたまに瑕だけどね……」と少し面倒くさそうに顔を歪める蘇枋さんを見ながら、私は内心首を傾げる。

(友達じゃなくて、仲間……?)

彼らはスポーツか何かをしているのだろうか。
そう疑問に思い聞こうとしたけど、先に言葉を発したのは顔を青くしたにれさんだった。

「そ、そういえばオレ達、お手洗いに行った柘浦さんと桐生さんを待ってる途中でした……!」
「……そういやぁ、そうだったな」
「えっ……!?」

にれさんが口にした衝撃の事実に驚く。
どうしてオレンジ髪の男の子があんなに怒っているのか分からなかったけど、これで合点がいった。トイレに行って帰ったらにれさん達がいないのだ。怒りもするし、なにより心配もするだろう。彼らの身に何かあったのかと。
それなのに、私が蘇枋さん達に助けを求めたせいで、知らなかったとはいえあの2人に迷惑をかけてしまった。その事実に血の気が引き謝るけど、桜さんと蘇枋さんは顔色を変えず平常心のまま。焦る私達に対して、だいぶ対照的だ。それを不思議に思いにれさんと顔を見合わせていると、蘇枋さんが穏やかに笑った。

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