マイナス、のちゼロ距離センチ【WIND BREAKER】
第2章 スーパーヒーロー、その名はボウフウリン
聞き取れなかった言葉は、どうやら私の謝罪を受け入れてくれたものだったらしい。それが分かって、だんだんと嬉しい気持ちが込み上げてくる。
「あ、ありがとうございます……!」
「そ、それに、オレの方こそ、突然お前に触れようとして、その……悪かった」
「!……大丈夫です。あれは本当に私に触れられないのか確かめるためだったって、分かってますから」
「そ、そうか……」
「はい」
……………………
お互いに謝罪をして、わだかまりがなくなったのはよかったものの、その後妙な間が空いてしまい、何だか気恥ずかしい空気が流れ始めてしまった。
「…………」
「…………」
私と桜さん、お互いに顔を少し赤らめ押し黙ることしかできないでいると
「いやー桜君達が仲直りできてよかった!」
「はい!少しヒヤヒヤしましたけど、本当によかったです!」
「「!」」
そんな空気を弾き飛ばす様に、蘇枋さんとにれさんの本当に嬉しそうな声が響いた。
それに驚いて顔を彼らに向ければ、声と同様本当に嬉しそうな笑顔でこちらを微笑ましげに見つめていた。その姿から、心配をかけてしまったのだと分かり、申し訳ない気持ちになる。
「ご心配おかけしました……」
「いやいや、いいんだよ。それに、君達2人ならすぐに仲直りできると思ったから。ねっ、にれ君」
「はい!桜さんは勿論、あなたも優しい人ですから!」
「や、優しいだなんて……!そんな……!」
「べ、別に優しくねーし……!」
温かい笑みで言われた、にれさんの言葉に気恥ずかしくなり、つい謙遜したら桜さんと被ってしまった。咄嗟に謝ると、それすらも被ってしまう始末。
そのせいか、桜さんの顔がみるみるゆで蛸みたいに真っ赤に染まっていく。たぶん、私よりも赤くなっているその顔に、逆に心配になるくらいだ。
「だ、大丈夫ですか……?」
「大丈夫だよ。桜君は照れてるだけだから」
「て、照れてねーし……!これは暑いだけだ……!」
「えっと、今日は比較的涼しい方かと……」
「ッ!?オ、オレは、その……暑いんだよ……!なんか文句あんのか……!」
「ありませんけど、その言い訳は少し苦しいと思います」
「うるせー!んなことより、次行くぞ!……最後、お前だろ……」
「あっ、はい!そ、そうですね!」
「? なんで焦ってるんだよ」
「き、気のせいですよ!」
