第4章 七海健人 覚悟
愛していますよと耳元で低く甘い声が聞こえたと思うと
両手で腰を掴まれて
ゆっくりと何か
大きなモノが
私のナカに入って来た
押し拡げられるような圧迫感に息を呑むのに
身体は待ち侘びていたかのようにソレを受け入れていく
『ッ‥‥ななみく‥これ‥な‥にっ‥ぁあっ‥ら‥めっ‥!!』
突き刺すほどの強い痛みを感じると同時に
熱さと気持ちよさで痺れて掻き消されていく
『ゃあっ‥ぁっ‥ゃだっ‥な‥なみくん‥っ‥やぁ‥ら‥っ』
ゆっくりと
進んでくる熱が
もどかしくて堪らなかった身体の奥まで入ってくる
それが苦しくて
気持ちが良くて
擦れる度に声が溢れてしまう
「あんまり可愛い声出してると気付かれてしまいますよ?」
『んぁっ‥‥むっ‥』
七海くんの長い指先が口内に挿入される
溢れ出る吐息
抑えられない声
だらしなく垂れてしまう唾液
それでも
繋がったところ
口の中
全部が気持ち良くて
おかしくなっちゃいそう
「後ろから犯されて感じるなんて‥まるで初めてとは思えませんね‥あなたと一緒に媚薬を飲まされたのが私で本当に良かった」
ふっと微笑む気配に胸がドキッとする
そして
この胸のドキドキは初めてじゃなかった
七海くんといると
胸がドキドキする
悟といる時は
安心して
楽しくて
高専時代のような懐かしい
ほっとする感覚なのに
後ろをちらりと振り返るとネクタイを緩めた七海くんの首筋に血管が浮かんでいる
いつも整えられている金色の髪が少し乱れていて
なんだかとっても大人っぽい
普段から七海くんは一つ年上の私や悟より全然大人っぽいんだけど
なんだか‥
とっても‥ドキドキする
「そんな可愛い顔で見つめないでくださいよ‥これでも必死に我慢しているんです」
特徴的な丸い眼鏡を片手ですっと整えて
もう一度深く唇が重なり合った
じわじわと心まで満たされていく感覚
幸せな気分に自分からもう一度唇を重ねると眼鏡の奥の瞳がパッと大きく見開かれた
「さん‥あなたって人は‥‥どこまで煽り上手なんですか」