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リクエスト 裏短編集♡

第1章 夏油傑 奪ってでも欲しいもの


五条side



「クソっ‥‥‥」




何の情報も聞き出せないまま
せっかく繋がった糸もすぐに切れてしまった




「五条‥‥は?」




憂太と棘の治療を終えた硝子が眉を顰めて後ろに立っていた




「傑に‥‥攫われた」




「ーっ?!」




「‥すぐに連れ戻す」





「場所は‥?」



「しらみ潰しに探す」





「そんな‥どれだけ時間がかかると‥」




目の下に出来た隈がさらに深くなりそうなほど長い溜息をついて

震えていた手を隠すように白衣のポケットに突っ込んだ




「心配すんな硝子‥‥は死んでも連れ戻す」




「約束だぞ五条‥」





「あぁ‥渡してたまるかよ‥」





アイマスクを少しずらして硝子をまっすぐに見つめると
険しかった表情からふっと少し力が抜けた





「そうだな‥‥の事溺愛してる五条なら大丈夫だな」





溺愛しているのは僕だけじゃない
硝子も‥‥勿論傑もだ




気を付けろよと言って歩き去って行く後ろ姿とは反対方向に走り出す





急がないと手遅れになってしまうかもしれない





傑の事だからを傷付けたりはしないはずだが




こんな強行突破にでたということは
の事を今後手放すつもりはないということじゃないだろうか






そしても


根っこの根っこまで
どこまでも優しい奴だから




傑が犯した罪は許さないとしても



そうなるに至った背景を理解しようとして
そばに居ようとするかもしれない



そして
そんな傑を救えるのが自分だけだと知ってしまったら





僕達すら手放して
永遠に傑のもとへ行ってしまうかもしれない



「‥」



つい数日前には同じベッドの上で
笑い合って


腕の中に抱きしめたあの柔らかな温もり





少しでも気を緩めたらぼろぼろと泣き出してしまいそうなほど
心は締め付けられて



嫌な予感に息が苦しくなっていく




本当に



頼むから




だけは‥





ボロボロになるまで探し回って




七海や他の呪術師達も総動員で探し回って




ようやく見つけたのは小さなペアリングだけだった



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