第3章 両面宿難 終わらない続き
『はぁ〜今日も疲れたねっ‥』
あれから数日
宿難が現れる事はなくて
私達はいつも通りの日常を過ごしていた
あの日から虎杖くんと2人きりになる事は禁止されていて
今日もこうして
恵くんと虎杖くん
3人での任務を終えて夜も遅くなってから部屋に帰ってきた
『そうだっ!お紅茶入れるから待っててくれる?』
「ちゃんがいれてくれんの?やったー!!オネシャース!」
「疲れてるからゆっくりしてくださいよ‥お茶なら俺が‥」
『疲れてるのは2人だよ!私は今日殆ど2人に守ってもらってたから‥お茶くらいいれさせて!ね?』
立ちあがろうとする恵くんを座らせて
流し台へ向かう
『えっと‥たしか‥五条先生にもらった美味しい紅茶が‥』
流し台の下の扉から可愛い小箱に入ったティーバッグを出して沸騰したお湯をそそぐ
伏黒、虎杖
3人での任務があれば
部屋に帰ってから2人に飲ませるように
と書かれたメモ
五条先生が書いたんだと思い込んでなみなみと注いだ紅茶を2人に差し出した
『なんだかとっても甘い香りがするね?前飲んだ時はそんな香りしなかったと思うんだけど‥って‥あれ?恵くん?虎杖くん?』
2人がごくりと紅茶を飲み込んだ途端に床に倒れ込んでぐーぐーと寝息を立てて寝てしまった
『びっくりしたぁ‥よっぽど疲れてたんだね‥ふふ‥可愛い』
可愛い可愛い一年生の後輩
2人の頭を優しく撫でると突然手首を掴まれる
掴んだ手には
2本の黒い線
あの日みた
紋様が顔にも浮かび始める
『え‥?虎杖くん‥?』
「待ち侘びたぞ‥」
『っ?!すく‥な‥?!』
纏っていた空気ががらりと変わって
隣に恵くんが眠っているのにその横に押し倒される
『な‥んで‥?』
状況を飲み込めなくて宿難の顔を見上げるとまたニヤリと笑う
「前によく眠っていたからな‥その間に仕込ませてもらった、まぁこんなにもうまくいくとは思わんかったが‥小僧が案外気を抜かないものでな‥」
押し倒された勢いで溢れた紅茶がポタポタと床に落ちる
「さぁ、あの日の続きをしようか」
月に照らされた宿難の顔に心臓がどくりと跳ねた