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リクエスト 裏短編集♡

第3章 両面宿難 終わらない続き


「〜!!」



「‥さ‥!」




遠くに聞こえる声





伏黒くんの声‥だと思うけど



強く頭を打ったのか



ぐわんぐわんと回る頭の中


耳鳴りが聞こえてはっきりと聞き取ることが出来ない





ついさっきまでは
伏黒くんと


虎杖くんと




校内にいる生徒さん達の救出に向かっていて




大きな呪霊がでてきて



それで‥





『っ‥‥』





ぼんやりと目を開くと少し離れたところに頭から血を流して倒れている恵くんの姿





こっちに向かって必死に何かを叫んでいるようにみえて
なんとか助けに向かいたくて立ちあがろうとするけれど



全身を強く打ってしまったのか身体に力が入らず
指先がぴくりと動いただけだった





「ちゃんっ!!」





『い‥た‥どり‥く‥‥?!』





朦朧とする意識の中
虎杖くんの叫ぶ声に顔を上げる







「早くっ!!逃げて!!」





虎杖くんが血相を変えて必死に叫ぶ






「さんっ!!こっちに‥っ!」







伏黒くんが私の方へ手を伸ばす






目の前にはさっきまで対峙していた呪霊がいて
今にも虎杖くんをのみこんでしまいそうだった








『ど‥どうし‥よっ‥‥』







「俺はいいからっ!早くっ!」







倒れた衝撃で少し遠くに弾かれてしまった私の呪具



手を伸ばそうとするけれど思うように身体が動かない





コンクリートの上には暗闇でも分かるほどの鮮血が辺り一面を真っ赤に染めていた



それが自分の血だということに気付いた時
指先から血の気がどんどんと引いていって




目が霞み始める





『わ‥わたしはどうなっても‥い‥‥からっ‥‥虎杖くんと‥‥恵くんから‥離れ‥てっ‥‥』





ズキズキと痛む身体
なんとか手を伸ばして呪具を掴む



『ぅ‥っ‥ふたりをっ‥‥‥』





戦いたいのに動かない身体
せめて2人を安全なところへ移動させたくて呪言を使おうと声をあげたけれど


吐き出されたのは言葉じゃなくて真っ赤な血だけだった





その時
虎杖くんが大きな声をあげた






「あるじゃねーかっ‥!全員助かる方法っ!俺に呪力があればいいんだろっ?!」
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