第3章 両面宿難 終わらない続き
伏黒side
東京都立呪術高等専門学校
2年
狗巻家と縁のある
呪言を操る家系でありながら
人としてはとても珍しく
自身にはほぼ負の感情がない為
相手を傷付ける呪いは一切使えない
一族の中でも唯一無二の存在
だから狗巻先輩のように語彙を絞る必要はないから
普通に会話できるし
戦いの場では主にサポートに回ってくれたり
真希さんのように呪具を使用して戦闘行う
『なんだかこうして2人で新幹線に乗ってると、旅行に行くみたいだね』
呪術の世界に身を置いているのが信じられないくらいに底抜けに明るくて柔らかな笑顔
「‥早く特級呪物みつけてとっととかえりましょう」
『そうだねっ!がんばろう』
ニコニコと笑うさんの方を直視できずに肘置きに手をついて顔を逸らす
この笑顔をずっと守りたいと思っていた
出来れば
俺が独り占めしたいとも思っていた
この不平等で
どうしようもない世界
さんとなら生きていきたいと思った
「さんっ‥!!」
そう思っていたのに
どうして世界はこんなにも俺に試練ばかりを与えてくるんだろうか