第1章 夏油傑 奪ってでも欲しいもの
『だめ‥っ‥』
幾度となく繰り返されるキスに必死に抵抗しようと押し返すけれども私の力ではびくともしなかった
「いつから悟のものになったんだい‥?私だって悟に負けないくらいのことを愛しているよ」
切れ長の目をにこやかに細めて微笑むと
どこかの大きなお寺のようなところについて
そのまま抱き抱えられて運ばれて行く
「夏油様‥その女性は?」
「だよ‥私の恋人といったところかな」
『待って‥傑‥‥離してっ‥ここはどこ‥っ?』
「私達は奥の部屋に行くから誰も近付けないでくれるかい?との時間を邪魔されたくないからね」
「かしこまりました」
髪の長い女の人が深く頭を下げるとそのまま奥の部屋までスタスタと歩いて行く
『ねぇっ‥‥傑‥‥お話ちゃんと聞くから‥離して‥?悟達が心配してると思うから‥連絡だけでも‥』
ポケットにいれていたはずの携帯電話が気付けば傑の手の中にある
昔一度任務が少し長引いて連絡出来なかった時があった
終わってから携帯を開いた時にとてもすごい数の着信履歴と留守番電話が残っていて
またあの時みたいに心配してくれてるんじゃないかと思って連絡だけでもとお願いしてみる
「‥‥今は私の事だけ考えていてくれないかい?」
1番奥の部屋
襖をピシャリと閉めると壁際に追い詰められる
『お願い‥傑‥』
「そのお願いは聞けないな‥」
『んんっ‥‥』
片手で両手首を壁に纏め上げられると
そのままさっきみたいにねっとりと絡みつくようなキスが息をする暇もないくらいに何度も繰り返される
『はな‥し‥て‥っ』
「絶対に離さないよ‥奪ってでも欲しいもの‥‥やっと手に入れたんだからね」
『はぁっ‥んっ‥‥むっ‥』
そのまま口内の奥深くにまで舌が入ってきて
必死に抵抗するけれども今度は片手でシャツのボタンをプチプチと開けられていく
『なに‥‥する‥のっ‥‥』
何度も繰り返されたキスに息が上がる
「心を開いてもらうには少し時間がかかりそうだから‥先に身体から頂くとするよ」
あっという間に外されたボタン
白衣ごとシャツを脱がされる