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リクエスト 裏短編集♡

第1章 夏油傑 奪ってでも欲しいもの


乙骨くんと狗巻くんが向かった任務

たまたま私の任務の場所から近かったから帰り道に寄ってみると頭から血を流した乙骨くんと咳き込む狗巻くんがいて慌てて2人の元へ駆け寄った




そしてその次の瞬間




気付けば大きな手に視界を遮られて


ふわりと身体が宙にういた




一瞬の出来事で抵抗する間も無く
その場から連れ去られてしまった





どんどんと遠くなって行く乙骨くんと狗巻くんの声





そして耳元で囁く声





「久しぶりだね‥‥」





柔らかくて穏やかに話すその声に身体がびくりと反応する





『す‥ぐる‥‥?』




忘れたくても忘れられない




あの日





ずっと一緒にいると思っていた傑が

自分の両親まで手にかけて




沢山の人達の命を奪った





一緒に




たくさんの人達の命を救うと思っていたのに





いろんな感情が波のように押し寄せて
声が震えてうまく話せない




「嬉しいね‥こんなに久しぶりなのに声だけで私って分かるのかい?」





ゆっくりと手のひらが離れていって



振り向くとそこにはかつて一緒に呪術師を志した傑の姿があった




『傑っ‥‥な‥んで‥‥っ』





なんで





どうして





聞きたいことは山のようにあるのに
気付けばポロポロと涙が溢れてくる





「一度は諦めたんだけどね‥‥」




ばさりと袈裟を広げて大きなその身体に抱きしめられる





「やっぱりどうしても手に入れたくなってね‥‥2度と泣かせないと誓うから私のものになってくれるかい?」






全部嘘だったんだよって言われたら信じてしまいそうなほど

あの頃と何も変わらない傑の優しい声




その声を聞くだけで
あの頃の思い出が沢山蘇ってくる






『無理‥だ‥よっ‥‥』




たくさんの人を殺めてしまった傑は私達の前から姿を消して



私は悟と共に呪術高専の教師になった





あの頃とは何もかもが変わってしまった





「無理じゃないよ‥大丈夫‥全てを受け入れてくれればいいだけだからね」





『んんっ‥‥』




私の身体を強く抱きしめたまま
傑の唇が重なり合って




薬指にはめていた指輪をゆっくりと抜き取ってしまう
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