第2章 五条悟 大事なモノ
いつもみたいに2人でソファに座って映画を見る
悠二はこれはあんまり怖くないよって言ったけど
ドキドキして悠二の手をギュッと握らせてもらう
「‥今日怪我したでしょ?」
『っ?!』
暫く映画を見ていたら
視線をテレビから外さずに前を見ながら私が隠していたケガの話題を振られて身体がびくりと反応する
「俺‥まだまだ頼りねーけどさ‥の事は何が何でも守るから‥‥俺の事頼ってね?」
いつもよりも真剣な声のトーン
横を見ると握っていた手をギュッと引き寄せられる
「最近元気ないのは‥?」
さっきまでテレビを見ていた視線が真っ直ぐに絡み合ってじっと見つめられる
「五条先生となんかあった?」
優しい声
一緒に暮らし始めてからもいつもとっても優しいお兄ちゃんみたいだった
明るくて
太陽みたいで
それなのに辛いこととかにはすぐに気づいてくれる
どんなに隠そうとしても直感で気付いてしまうらしい
『え‥と‥‥』
「うん‥?」
近くなった距離
さっき家入さんに治してもらったところを大きな手がお洋服越しに優しく撫でる
『五条先生に嫌われ‥ちゃったかもしれなくて‥』
「?!ないっ!ぜってーそれはない!だって先生にベタ惚れじゃん!」
『でもっ‥‥』
だって好きな人とはそーゆうことするって
1番最初に教えてくれたのは五条先生だったのに
考えたらじわりと涙が滲んで上を向く
そんな顔を見て悠二が私を胸の中に抱きしめた
『悠二っ‥』
「五条先生みてーに最強でも‥かっこよくもねーかもしれねーけど‥俺じゃダメ?」
そして次の瞬間
真っ暗だった視界が明るくなって
私の上に悠二が覆い被さった
『ま‥待って‥どうしたの‥っんむ‥っ』
五条先生よりも少し強引なキス
「俺にしてよ‥ダメ?」
『んっ‥むっ‥』
答える暇も与えてくれないようなキスに頭が混乱する
五条先生は私が少しでも他の男の人と触れると拗ねちゃうから
こんなところ絶対に見られちゃいけないのに
タイミング悪く部屋の扉が大きく開いた