第2章 五条悟 大事なモノ
家入side
五条がじっと見つめる先
そこには一年生の姿
伏黒や虎杖がに惚れているのは側から見ていてもすぐに分かるし
おおかた嫉妬でもしているんだろうが
まぁ相手が男でも女でも関係ない
に関わるもの全てに五条は嫉妬しているんじゃないか
五条の愛は
見ていて怖いくらいに重かった
かつての親友
夏油を失ってから
大事なものを失うことに
ひどく怯えているようにも感じられた
「やれやれ‥も厄介なやつに好かれたもんだね‥」
煙草の火を消して立ち上がり医務室へと戻ると暫くして扉がガラガラと開いた
『家入さん‥今いいですか‥?』
「いいよ‥1人?珍しいね」
さっと隠れるようにして医務室に入ってきたが腕を押さえる
『みんなに心配かけたくなかったので‥こっそり来ました』
椅子に座らせて制服の袖を捲ると透き通るような白い肌に痛々しい火傷のような痕がくっきりと残っている
は他人の治療は出来るが
自身に反転術式を使うことができない
「これはまた‥内緒にして正解だったな‥他のやつはおろか五条が知ったら街ごと爆破しそうだわ」
『家入さんいつもごめんなさい‥』
赤紫のような濃い痕は
身を焼き尽くされるような激痛を伴う程の呪いのはずで
周りの奴らに心配かけないように必死で隠していたんだろう
あんな笑顔までみせて
五条にすら気付かせないこの子は本当に自己犠牲の念が強いから心配になる
「昨日の任務?こっそり誰か助けたんだろうけど気をつけなよ‥に何かあったら世界が終わるぞ」
『忙しいのにごめんなさい‥』
しゅんと俯く顔
長い睫毛が影を落とす
女の私でもドキッとするような色気と美しさ
それに可愛さとこの性格
呪術高専にきてからは生徒のみならず補助監督や教師陣をすぐに虜にしていた
「よし‥これで終わり、と」
『有難うございましたっ!あと‥一つだけ聞いてもいいですか‥五条先生の事なんですけど‥』
パッと顔を赤く染めながら見上げてくる
「五条?何か嫌な事でもされた?」
ブンブンと小さく首を振る