第1章 夏油傑 奪ってでも欲しいもの
夏油side
昨夜に引き続き
1番奥の深いところを責め続けると数分もしないうちには意識を手放した
名前を呼ばれながら
強く抱き合って
奥深くまで繋がりあった快感は言い表せようもないほどの幸福をもたらしてくれた
「悟‥‥見てたんなら中に入れば良かったじゃないか」
ぐったりと気をやってしまったを腕の中に抱きしめたまま
窓の外にいるであろう悟に声をかける
「どういう仕組みなんだよ‥っ‥声を掛けても聞こえてないし‥ビクともしないなんて‥‥入れるもんなら入ってたっての‥‥殴ってでも‥奪い返してたよ‥」
防音効果のスイッチをきると怒りに震えた悟の声が聞こえてきた
「でももう分かっただろう?こんなにも愛し合った私達をみて諦めがついたか悟?」
「あぁ‥‥お前がになんかしたって事はよく分かったよ‥」
「分かったなら早く高専に帰るといい‥可愛い生徒達が待ってるんじゃないか?」
「その可愛い生徒達にを連れ帰ると約束したんでね」
悟と話していると
腕の中のが少し寒そうに擦り寄ってくる
「こんな幸せ独り占めしてたんだろう‥?次は私が貰ったってなんら問題はない」
「あるね‥問題しかない‥‥奪い返してやるから出てこいよ傑」
あの頃みたいに挑発するような悟の声
少し胸が疼いてしまって溜息を吐く
「そんなに言うなら仕方ない‥‥思う存分呪いあおう」
「負けても泣き言吐くんじゃねーぞ?お前が負けたらは奪い返す」
「それはこっちの台詞だよ悟‥‥泣き言吐いてもは渡してやらないからね?」
すやすやと眠るにタオルを掛けて
脱ぎ捨てた袈裟をゆっくりと身に付ける
乱れた髪を結い直して
結界の外にでると悟が目隠しを上にずらす
「よぉ‥元気してたか?」
「見ての通り‥をあれだけ泣かせられるくらいには元気だよ?」
「ヤられる覚悟は出来てるだろーな」
「そっちこそ‥泣きながら帰る準備はできてるかい?」
お互いに睨み合って
口角がにやりと上がる
「始めようか‥‥欲しいものを奪い合う戦いを」