第1章 夏油傑 奪ってでも欲しいもの
五条side
しらみ潰しに傑がいそうなところを探しながら
繋がらない携帯に電話をかけ続けていると
さっきまで電波が繋がらないか電源の届かない場所にいるからって同じアナウンスが流れてたのに
急にコール音がなりはじめて心臓がどくりと跳ねる
慌てて電話に出ると愛しいの声
だけど
どこか様子がおかしい
さっきまでの緊迫感がどこにも感じられないような柔らかな声と
僕だけしか聞いた事がないはずの甘い声が受話器の向こうから聞こえてくる
「どうなってる‥‥?は無事なんだな‥?傑は‥」
違和感を感じながらも
電話が繋がったということはが安全な場所に逃げられたのだと勘違いをしていた
『わたしは‥っ‥ぁっ‥‥んっ‥‥何ともないっ‥よ‥‥傑も‥‥もう私達と一緒にいるって‥‥夜蛾先生に伝えてくれる‥っ?』
この緊迫した状況にそぐわない甘い吐息とどこか噛み合わない会話
「学長‥?なにを言って‥」
確かに高専時代は僕もも夜蛾先生って呼んでたけど
今はお互い学長と呼んでいた
「五条さんっ‥‥さんは無事なんですか‥?」
横で息を切らした七海や他の呪術師達が心配そうに寄ってくる
「今のところ無事らしいが‥‥何か様子がおかしい」
『悟‥?』
「‥‥今何して「やぁ悟‥さっきぶりだね」
会話に被せるようにして入ってきた傑の声
「っ!!傑‥‥お前何してんだよ‥‥」
「怖い声だね‥そんなにピリピリするなよ悟‥‥ほら、可愛い声聞かせてあげないと」
穏やかに話す傑の向こうからまたの甘い声が聞こえてきた
『ゃっ‥‥いま‥うごいちゃっ‥‥だめ‥だよ‥っ‥傑‥っ‥奥あたっちゃ‥う‥‥っ』
「っ‥‥?!」
信じられない言葉を耳にして
全身から血の気がひいていく
「おいっ!っ?!傑と何してんだよっ?!」
『ふぇっ‥?わ‥‥っ‥わかんな‥っ‥‥なんか‥お腹の奥が‥‥きゅんってして‥‥くるしいのっ‥‥』
「おい‥‥何がどうなってんだよ‥‥」
初めて身体を重ねた時と同じ言葉に身体が硬直する